引用元:https://www.jbis.or.jp/horse/0001106251/
ジャスタウェイはジャスタウェイであってジャスタウェイ以外の何物でもない。
それ以上でもそれ以下でもない。
───TVアニメ「銀魂」第32話 「人生はベルトコンベアのように流れる」(テレビ東京)より
「ウマ娘プリティーダービー」の人気キャラゴールドシップ、トレセン学園の寮では他のウマ娘達は2人部屋なのにこいつだけ1人部屋ですね。隣のベッドが空いてます。そこには本来相方が入るような気がしますが、その相方まだ「ウマ娘」には出てきていません。現実の競走馬ゴールドシップには隣の馬房に相方の親友がいたんですが、そいつはまだ悲しいかな「ウマ娘」には実装されていません。そんなゴールドシップの親友、そいつの名前は「世界最強の爆弾」ジャスタウェイ!!
手前ジャスタウェイ 奥ゴルシ 銀魂のジャスタウェイ
引用元:https://bit.ly/3izearM 引用元https://amzn.to/2SnJ1Nl
・ジャスタウェイ
JRA所属の元競走馬。同厩の同期にGI6勝馬・ゴールドシップがいる。1600~2000mを得意とした短中距離馬。馬主はTVアニメ「銀魂」、特撮戦隊ヒーローシリーズ等を担当した売れっ子脚本家の大和屋暁氏。JRAに公式登録された馬名は「ジャスタウェイ 英:Just a Way(その道)」と無駄にかっこよくなっているが、当然馬名の元ネタは「銀魂」に出てくるこけし爆弾「ジャスタウェイ」であり、英語表記も「Just away(すぐ逃げろ)」が正しい。「最強の迷馬」「白いアレ」ゴールドシップの数少ない親友である。
戦績:22戦6勝 2着6回 3着1回 他
ロンジンワールドベストレースホースランキング日本馬初単独世界1位
主な勝鞍:天皇賞秋(GⅠ)
ドバイデューティフリー(GⅠ)
安田記念(GⅠ)
血統:父ハーツクライ 母シビル 母父Wild Again
・ジャスタウェイの愉快な(十年に一度といわれる同一GⅠ連覇馬が沢山)同期達 ゴールドシップ:通称「ゴルシ」、「最強の迷馬」「白いアレ」とも呼ばれ る。GⅠ6勝、宝塚記念(GⅠ)連覇
ジェンティルドンナ:通称「タックルドンナ」、ディープインパクトさんちの わがままお嬢様、3冠馬オルフェーヴルにタックルして タックルの旨みを覚えてしまった。GⅠ7勝、ジャパン カップ(GⅠ)連覇
フェノーメノ:ゴルシの天敵、ゴルシの勘違いから会うたびに大喧嘩するよう になる。GⅠ2勝、天皇賞春(GⅠ)連覇
ヴィルシーナ:ジェンティルドンナにいじめられる。GⅠ2勝、
ヴィクトリアマイル(GⅠ)連覇
ホッコータルマエ:ダートの皇帝、背中の上で騎手が焼きそば焼いてた悲しい 過去を持つ。GⅠ10勝、川崎紀念(GⅠ)3連覇、
東京大賞典(GⅠ)連覇
ディープブリランテ:悲運のダービー馬、日本ダービー(GⅠ)制覇
カレンブラックヒル:デビュー以降短距離戦でジャスタウェイをいじめまく る。NHKマイルカップ(GⅠ)制覇
ジャスタウェイは、競りで競馬マニアで脚本家の大和屋暁氏に落札されました。大和屋氏は、無敵のディープインパクトを日本馬で唯一倒した父ハーツクライの一口馬主です。一口馬主とは1頭の競走馬を複数人で出資して所有する馬主のことです。ハーツクライの活躍に自分1人で1頭ハーツクライの子供が欲しい!と思った大和屋氏、ハーツクライの子12頭の中で下から3番目の馬を1200万円で落札します。1200万円というのは格安価格であまり期待されていない馬でした(ちなみに最安値のハーツクライの子も大和屋氏が落札しています。その馬の名は「オツウ」、当然「銀魂」つながりです。)。ジャスタウェイは、父ハーツクライの悪いところである「がに股」を受け継いでしまっており、しかも生まれた時から右前脚に爆弾を積んでいるような状態でした。なので1200万円という安値になってしまったのです。
2011年3月初旬、東日本大震災のゴタゴタがありながらも、なんとか栗東の須貝厩舎に入厩したジャスタウェイ、同じような時期にゴールドシップも入厩してきました。順調に成長してきたゴールドシップと違い、病弱で脚にも不利があり、父ハーツクライと同じく晩成傾向であったため体ができるのはゆっくりでしたが、ゴールドシップとともに調教を受け競走馬として成長していきます。
・ジャスタウェイデビュー!
2011年、ジャスタウェイは新潟、相方ゴールドシップは函館の両新馬戦でデビューします。ジャスタウェイは好スタートから5番手につけ、最後の直線で爆発的な末脚を炸裂させ5馬身差で圧勝しました。相方ゴールドシップも函館で初勝利します。
・2012年「銀魂」な日々
2011年デビュー戦を派手に飾ったジャスタウェイ、しかし晩成傾向のせいか体がまだ出来上がっていなかっため、同期早熟組のディープブリランテやワールドエースには届かず1勝どまりでした。年が明け2012年2戦目アーリントンカップ(GⅢ)、初重賞勝利へ向けて4度目のチャレンジです。
・2012年アーリントンカップ
このレースでは、最後方から大外ぶん回し⇒直線で末脚炸裂⇒他馬ごぼう抜きで1着という派手な勝ち方で初重賞勝利します。実はこの勝利、2009年4月30日放送アニメ「銀魂」155話「裏の裏の裏は裏」で予言されています。馬番13番ジャスタウェイという馬が最後方から直線で追い込みゴール手前で1着と言う展開です。これはアーリントンカップと全く同じ物でした。
しかし相方ゴールドシップが派手に快進撃を見せる一方で、ジャスタウェイは良いところまで行くが、なかなか勝ちきれない苦しい時期に入ってしまいます。短距離戦では同期早熟馬カレンブラックヒルのスピードに届かず、中距離戦でも同期早熟馬ディープブリランテ、先輩ダービー馬エイシンフラッシュに届きません。他の馬に比べてまだ体が出来上がっていない不利が出てしまいました。
結局2012年はアーリントンカップ1勝のみで終わりました。アニメと同じ馬名で同じ走りをした「ネタ馬」扱いされてしまったのです。
しかし良かったこともあります。ジャスタウェイは右前脚の爆弾のため右回りが苦手、そしてスタミナが弱く長距離が苦手でした。一方相方ゴールドシップは左回りが苦手、瞬発力が鈍いため中短距離戦が苦手です。なのでどちらかが苦手なレースはどちらかを休養期間に当てるというローテーションを組むことが出来ました。この結果、両馬ともきっちり休養を取ることが可能となり、無理なペースでレースに出て故障することを防ぐことが出来ました。
・2013年主役は遅れてやってくる!!
相方ゴールドシップとの併せ馬調教できっちり体が出来てきました。しかしなかなか歯車が噛み合わず善戦するも勝ち切れません。まだネタ馬状態です。特に重賞3連続2着になっちゃった際には、「銀魂(ぎんだましい)」(馬なり1ハロン劇場 よしだみほ著 双葉社)というネタにされてしまいました。
ですが晩成型の成長曲線に乗り体は完全に仕上がっています。後は歯車が噛み合えば・・・というところで天皇賞秋(GⅠ)にエントリーします。しかし大問題が!天皇賞秋出走枠は18頭。ジャスタウェイの賞金獲得額は、出走エントリー馬中20番目・・・お金が足りず誰か辞退してくれないと出走できません。厳しい。しかし競馬の神様はジャスタウェイを見捨てませんでした。なんと上位馬が他のレースへ出走することになり、ギリギリ天皇賞秋に滑り込むことが出来ました。
そして相方と鍛え上げ成長曲線に乗った体と、今までの古馬との激戦から得た経験が噛み合い爆弾の導火線に火が付きます!!
・2013年天皇賞秋
前半1000m58秒というかなりのハイペースでレースは進行。先行集団には現役最強3冠牝馬ジェンティルドンナ、中団には3年前のダービー覇者エイシンフラッシュがいます。ジャスタウェイは中団から後方に待機、チャンスをうかがいます。そして最後の長い直線、全馬がスパートをかける中、ついにジャスタウェイ爆弾爆発!1頭だけ次元の違う末脚を炸裂させ、現役最強3冠牝馬ジェンティルドンナを4馬身ぶっちぎるという、ジャスタウェイの名に恥じぬすさまじい破壊力を見せつけました。
この圧勝劇に陣営はドバイデューティフリー(GⅠ)参戦を決定。2013年の残りのレースは全て回避、休養にあてることになりました。
・2014年世界最強馬へ!!
ドバイデューティフリー(GⅠ)への最後の実戦調整として、中山記念(GⅡ)に出走。これは2011年ドバイワールドカップ(GⅠ)を制したヴィクトワールピサと同じローテーションです。いわばドバイ行き最後の登竜門です。このレースで後続を3馬身半突き放して圧勝!決戦への準備は整いました。父ハーツクライのドバイシーマクラシック(GⅠ)制覇に続き、いざ親子ドバイGⅠ制覇へ!!
2014年ドバイデューティフリー(GⅠ)には、6戦6勝の南アフリカ最強馬ヴェルキンゲトリクス、芝中距離のヨーロッパ最強決定戦アイリッシュチャンピオンステークス2013年覇者イギリス馬ザ・フューグ、香港のG1馬ブレイジングスピード等強豪ぞろいです。ここでジャスタウェイ過去最大の大爆発を起こします!!
・2014年ドバイデューティフリー
スタートに失敗したジャスタウェイ、後方2~3番手のポジションに。先頭は武豊トウケイヘイローが逃げを打ちます。ドバイメイダン競馬場のコースは先行有利といわれているため、実力が劣るトウケイヘイローは逃げに賭けたのです。ヨーロッパの騎手は逃げに慣れていません。1995年凱旋門賞を名手ペリエが大逃げで勝った時、ペリエが「大逃げは日本で身につけた。」と語ったほどです。まだ逃げ対策が充分ではないのです。ジャスタウェイはじっくり後方で我慢。残り400mバテたトウケイヘイローにヴェルキンゲトリクスが強襲、先頭を奪います。このまま押し切るのか?しかしついにジャスタウェイの末脚が過去最大の大爆発!!序盤の不利なポジショニングも何のその、一気に加速して残り300mでヴェルキンゲトリクスを強襲、そのままちぎり捨てあっという間に6馬身差1/4差をつけ圧勝!!父ハーツクライに続き親子ドバイGⅠ制覇!!タイムは従来のコースレコードを2秒も上回る1分45秒5と驚異的なスピードでした!!
勝利の瞬間、馬主の大和屋氏は金のジャスタウェイ像(銀魂の方)を掲げて大歓喜!表彰式では優勝カップのお返しに金のジャスタウェイ像を、プレゼンターであるドバイの首長一族の方にプレゼント。プレゼンターを大いに困惑させました(ドバイの人は銀魂なんて知らないし・・・)。
ドバイデューティフリー大圧勝、天皇賞秋圧勝、中山記念圧勝を考慮され、2014/4/1に発表されたロンジンワールドベストレースホースランキングで130ポンドという数値を叩き出しました。この数値は日本の歴代競走馬の中でもオルフェーヴル129ポンドを抜いて1位の数値です。しかも130ポンドは世界トップクラスの競走馬しか出せない数字であり、この評価がされた時点で130ポンド以上の数値を持つのはジャスタウェイのみです。つまり誇張抜きで世界トップの競走馬という評価をされました。日本馬が単独でランキング1位になったのは初のこと。結局この数値が年内に抜かれることはなく、2014年度世界最強馬に輝きました!!
JRAヒーロー列伝ポスター:左ハーツクライ 右ジャスタウェイ、父子で同じ構図
引用元:https://jra.jp/gallery/ads/heroes/index.html
・凱旋帰国、そして引退・・・
帰国後の凱旋レースは安田記念(GⅠ)、主戦の福永騎手が騎乗停止処分の為、柴田騎手に乗り換え、しかも田んぼのような不良馬場という悪条件が重なりながらも僅差でグランプリボスに競り勝ちました。
そして陣営はついに世界最高峰凱旋門賞(GⅠ)挑戦を発表!
しかし凱旋門賞(GⅠ)は距離が長すぎたか8着に沈没(相方ゴールドシップは苦手な高速馬場なうえ他馬騎手の鞭が顔面に当る不幸が重なり14着)。
そろそろ引退後種牡馬としての価値のことを考え始めていた陣営は、かつて惨敗した日本ダービーと同距離のジャパンカップ(GⅠ)に参戦。しかし先に抜け出した後輩エピネファイアに届かず2着に敗れました。
ついにジャスタウェイも引退をすることが決まりました。以前から不安であったジャスタウェイの右前脚の爆弾が限界に来ていたのです。引退レースは有馬記念。
有馬記念ではうまくレース運びが出来ず、なんとか4着。しかし短中距離馬ながらも、ジャパンカップ、有馬記念と連続して好位には入っており、種牡馬としての拍が付きました。そして2014年1月引退式を行い、後のことは相方ゴールドシップに託して、種牡馬として自らの子を残すべく北海道に帰っていきました。
・なぜジャスタウェイは怪獣ゴールドシップの親友になれたのか。
併せ馬中のジャスタウェイとゴールドシップ
気に食わない奴がいると喧嘩を売りまくる事で有名なゴールドシップですが、ジャスタウェイにはそんなことは全くしませんでした。須貝厩舎のもとにほぼ同時に預けられましたが揉めたことはありません。大親友でした。何故ゴールドシップの親友になれたのでしょうか。
ジャスタウェイの性格ですが、
・大人しくて真面目な優等生
・スルー能力が高い
・葦毛フェチ
・やる気が出ないと露骨に体調が悪くなる(蕁麻疹でたり発熱したり)
といったところです。須貝調教師曰く
「あの子たちは意図的にずっと馬房を一緒にしてきて調教もずっと一緒にしてた。ジャスタウェイはすごくお利口さんで、ゴールドシップは”あんなん”でしょ。がきんちょと優等生を一緒にしてお互い切磋琢磨できるようにしてた。」
ゴルシは抜くのは好きだが抜かれるのは大嫌いというタイプです。ゴルシの調教嫌いは有名ですが、併せ馬調教でゴルシがサボろうとすると真面目なジャスタウェイがスーッと抜いていくのでムキになって追っかける。という繰り返しでお互い強くなっていきました。ジャスタウェイ引退後ゴルシは、張り合いが無くなったのか天皇賞春(GⅠ)勝利後、「あの宝塚記念」含めてさっぱり勝てなくなってしまいました。
またゴルシは後ろに馬が来ると怒り狂います。ですがジャスタウェイの後ろを歩かせるとそんな事は無くなりました。しかし「暴れるゴルシを優等生ジャスタウェイがなだめる」といった感じではないようです。
それはジャスタウェイの「スルー能力が高い」という性格にあります。ゴルシはジャスタウェイの前では大人しいのではなく、吠えたり暴れたりしますが、ジャスタウェイはそのへん全てガン無視します。馬房の中でも同じです。隣の馬房で何か吠えてるゴルシをガン無視して熟睡したり餌食べてたりします。そのうちゴルシが暴れ疲れて大人しくなると馬房からひょこっと顔を出します。するとゴルシが「相手してよ~」と顔を出し仲良くなっていったようです。
この関係、実はゴルシの中に潜むご先祖様たちの関係と全く同じです。ゴルシの父父サンデーサイレンスと母父メジロマックイーン、メジロマックイーンが引退するとサンデーサイレンスの隣の柵に放牧されました。サンデーサイレンスは顔を合わせるたびに激しく威嚇しますが、マックイーンがガン無視。結局相手してもらえなくて寂しくなったサンデーサイレンスが、マックイーンの方に歩み寄り2頭は「恋人」と呼ばれるほど仲良くなったのです。
ジャスタウェイのガン無視は、ゴルシ相手だけではなく他の馬が暴れている時でも同じでした。他の馬が暴れている最中でものんびり草を食べているところが確認されています。
またジャスタウェイが「葦毛フェチ」だったこともあります。ジャスタウェイは右前脚が限界でゴルシより1年早く引退します。引退後社台スタリオンで放牧されます。近くの柵には葦毛馬の先輩クロフネ、キャプテントゥーレがおり、そっちをずーっと眺めていることが確認されています。特にクロフネは性格がいいため、自分をずーっと眺めているジャスタウェイに歩み寄り大変仲良くなりました。もしかしたら「ソダシちゃん僕に下さい!!」とか言ってるかもしれません。しかしクロフネとジャスタウェイの柵の間に、おっかないジェンティルドンナお嬢様が入ることになりました。悲しい。
ただジャスタウェイが、「葦毛フェチ」だったからゴルシと仲良くできたのか、ゴルシと長く付き合っているうちに「葦毛フェチ」になったのか、そこは定かではありません。
ジャスタウェイ馬主大和屋さんはアニメ畑の人ですし、アニメ「銀魂」でかなり危なっかしいパロディをガンガンやっちゃってますので、ジャスタウェイ「ウマ娘」出演の許諾は貰いやすいと思います。スピンオフでもかまいませんので大和屋さん自身の脚本で、お得意の「優等生ジャスタウェイとチンピラゴルシの凸凹コメディ」でもいいですし、「優等生だけど生まれつきハンデのあるジャスタウェイが、乱暴なゴルシとコンビを組んで強くなり栄光を掴む王道スポ根物」が観てみたいですね。社台ファーム白老様、ノーザンファーム様、サンデーレーシング様、金子真人ホールディングス様、ジャスタウェイと愉快な同期たちの「ウマ娘プリティーダービー」出演の許諾出してくれませんかねえ・・・