創作

風と音

目の開いていない子猫が抱かれるように 毛布にくるまっていたい 祭りの囃子に湧く群衆のように 喜んでみたい 海の波が砂を洗うように大事にされたい 風が踊るように 歌っていたい 孤独が胸を打つように なにかに集中してみたい 欲望の箱が開かれた パンドラの箱だ しまいには希望が出てくる それを眺める番人になりたい 雷のように走りたい 稲妻のようにあの人を見つめたい 目を閉じているあなたのように 笑ってみ […]

転がるリンゴ

頭の中が腐った果実で埋め尽くされているような気がする。 男は牧師のCDを聞いていたが、 そこから聖なるものより、哀しさを感じて、 頭をすっきりさせるためにCDをメタルに変えた。 ひずんだギターの雑音が頭の中を削り、掃除してくれる。 男は徐々に元気になり窓を開けた。 開けた空間にメタルの音楽が勢いを弱める。 冒頭の表現が、村上龍に似ていると言われたことを思い出した。 あの作家は嫌いだ。 東京の生ごみ […]

バッドエンド

色とりどりの淡いガラス玉が、シャボンのように浮いた頭上。 美女が微笑んでいるような甘い香り。 目の前に古びたレバーがあって、 太いパイプがどこか遠くへ伸びている。 ここはどこだ? わからない。 考えると頭痛がしてレバーに手をついた。 少し動いてしまったようだ。 頭上の玉たちがささやくように揺れる。 どこからともなく蝶が飛んできて、 レバーをつかんだ手にとまる。 レバーがもう少し倒れる。 ガラス玉同 […]

創作とスランプ

イラストレーターさんの3か月の活動報告のブログを見た。 そんななか、記念を発表した後って「がっくりくる」かもな・・・などと思い、 自分のマイナス思考におののいた。 記念と言えば、アイドルなどの生誕祭など、年がら年中祭りにしてメンタルを保っている人もいる。 モチベーションを保つことは何でも大事だなと思う。 高いところを目指すと落差も大きい気がする。 コツコツやれることもいいのかもしれない。 スランプ […]

ネタがあるから創作したいのか、創作したいのにネタがないのか問題

どうもこんにちは蜜柑靴下です。 以前、知人が言っていたことが妙に忘れられません。 「表現したいものがあるから創作をするのか、ただ単純に作業として創作がすきなのか」。 これ、創作をする人にとっては非常によく分かる話だと思うのです。 そしてこの言葉を思い出すのはどうしても、 「創作したいのにネタがないとき」だったりします。 創作したいのにネタがないって、これもよくある話だと思います。 今回は、「ネタが […]

坊ちゃんと時計の塔

むかし、未来の見える時計屋さんがいました。 その時計屋さんは未来を指す時計を作りましたが、 ある貴族に自分の未来を教えてくれと言われ、 お屋敷のはずれの塔を与えられ、 時計を作っていました。 「未来がわかるなら未来を教えて」 坊ちゃんは言いました。 「坊ちゃんの未来も、坊ちゃんが感じていること、見ていること、  数えきれないほどの情報があります。  それはたくさんすぎて、とても伝えられないので、 […]